Plant Sketching Exhibition 四季の家で高橋長三郎植物スケッチ展


寺家ふるさと村四季の家で、今年も高橋長三郎さんの植物スケッチ展が催された。


高橋長三郎植物スケッチ展

「寺家とその周辺を彩る里山の花」

5/16-5/21



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寺家に生きる里山の花に出会う

 多摩丘陵の一部に当たる横浜市や川崎市の西部は、今や宅地造成の波に呑みこまれ、豊かだった里山の自然がその姿を消そうとしています。そんな中、『寺家ふるさと村』は今なお里山の自然が残され、人々の心に潤いをもたらす貴重な場になっています。
 自然好きな私は、10年余り前から四季折々寺家に出かけ、里山の花に出会えた喜びをこめてその姿をスケッチし、その科類は150以上になりました。
 現在、初めに見られた花も少なくなり、残った花も生気を欠くものが目立っています。しかし、なお健気に生きる姿に出会うとホッとし「また今年も咲いたね。よかったね」と声をかけます。
 今回は、周辺のものと共に展示しました。『寺家ふるさと村』の良さと自然の大切さを受けとめいただく一助になれば幸いです。
  平成24年5月
   川崎市自然観察の会 高橋長三郎




展示風景



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美江子夫人(左)と、寺家ふるさと村を訪れたいと葛飾区からかけつけた夫人の友人(右)



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高橋長三郎さん(85歳)



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2012年5月21日
横浜市青葉区寺家町


関連

ふるさと村で高橋長三郎さんの植物スケッチ展
(まさじの写真回廊 2010/05/24 )
http://masaji36.at.webry.info/201005/article_28.html

今年も高橋長三郎さんの植物スケッチ展
(まさじの写真回廊 2011/05/19 )
http://masaji36.at.webry.info/201105/article_42.html

寺家ふるさと村・里山の花物語 高橋長三郎
(まさじの写真回廊 2011/05/19 )
http://masaji36.at.webry.info/201105/article_67.html







展示作品


光の反射で、一部不鮮明な写真となっています。



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01
春を待つ雑草たち
ハルジオン、オニタビラコ、ハハコグサ、オランダミミナグサ、ヒメジョオン、ヒメムカシヨモキ、ウラシロチチコグサ今年は春が遅かった。野の花の開花がまだ見られない中、それでもわが庭(せまいけど)の雑草たち(約35種)は春の準備しおりました。

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02
野の花たちの喜び
コハコベ、オオイヌノフグリ、ホトケノザ
早春の使者オオイヌノフグリ、そしてハコベの仲間の花が見られ、遅れてホトケノザの紅色が。野の花たちもようやく訪れた春に喜び立つようだ。

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03
タネツケバナ・ミチタネツケ (アブラナ科)
花期 4-6月
苗代にまく種もみを水に漬ける頃、畦道をにぎわすアブラナ科の花。寺家の田んぼに多い。しかし近年、宅地などの道端には外来のミチタネツケが多くなった。

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04
ツボスミレ(ニョイスミレ) (スミレ科)
花期 4-5月
花が白く唇弁の奥の紫色のすじが目立つ。葉が立った姿を仏具の如意に見立てた。

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05
スミレいろいろ
コスミレ: 3月下旬ころ、人家近くや山野に花が見られる。コスミレというが花は中形、花も変化がある。
アカフタチツボスミレ: タチツボスミレの一種。葉脈が暗紅色。初めて気づくが、他でも見られるかも。
ノジスミレ: スミレに似るが葉の基部が幅広く、全体に白い短毛が多い。
ニオイタチツボスミレ: 花にかすかな芳香がある。濃紅紫色の花の中心が白い。
ナガバノスミレサイシン: 葉が三角状卵形で長い。花は淡紫色~白色で距は太く短い。

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06
ミツバアケビ (アケビ科)
花期 4-5月
小葉が3枚なのでミツバアケビ。葉の緑が波状なのもアケビとの違い。花は暗紫色で、実はやや長く熟すと紫色を帯びる。雌花は基の方につく。

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07
モミジイチゴ (バラ科)
花期 4月
葉がもみじのように3~5裂、白い花が下向きに咲く。6~7月頃球形の実が橙黄色に熟し、甘ずっぱくおいしい。山道を歩きながら摘みとって食べた。

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08
ミヤマナルコユリ (ユリ科)
花期 5-6月
筒形の白い花が数個ずつ左右に並んで垂れ下がる様子を、雀を追う鳴子(なるこ)に見たてた。この種は葉が広く、花柄が葉に沿ってのび花をつける。

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09
コウゾリナ (キク科)
花期 5-10月
髪剃(かみそり)菜。茎や葉に剛毛がありさわるとゾリゾリとざらつく。花期が長く、よく目立つようになった。今も各地に多い。

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10
ウツギ (ユキノシタ科)
花期 5-7月
別名、ウノハナ。「卯の花のにおう垣根に・・・」は、香りでなく「輝いて色美しく見える。」姿をさしたもの。今も健在で里山の名残を止める。

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キンエノコロ (イネ科)
花期 8-10月
エノコログサ(別名ネコジャラシ)の仲間は穂の色・長さ・形がいろいろ。注意して見るとおもしろい。

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アキノエノコログサ (イネ科)
花期 8-11月
エノコログサより花期が遅い。花穂が大きく、先が垂れる。エノコログサは花穂を小犬の尾に見立てたもの。英名はFoxtail grass

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13
オモダカ (オモダカ科)
花期 7-10月
葉が人の顔に似るという。寺家の田んぼのイネの間に生える。花茎が高くのび、上部に雄花、下部に雌花がつく。地中にクワイに似た球茎をつける。

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14
ユウガギク (キク科)
花期 7-10月
柚香菊と書くが柚の香りはあまりしないが秋の風情をかもし出してくれる野菊。今も林縁や土手に多く見られる。同じ仲間のヨメナ、カントウヨメナとの区別は難しい。

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シロヨメナ (キク科)
花期 8-11月
小さくかわいい白い花が茎頂にたくさんつく。同じ属のイナカギクとの区別がむずかしい。葉の先が鋭くとがるのが特徴。古来から若菜摘みされたヨメナ(嫁菜)は別の属。

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ベニバナボロギク (キク科)
花期 8-10月
花後、まっ白で長いわた毛が目立つ。その雨にぬれた様子をボロに見たてたのか?。レンガ色の頭花は下向きから上向きになって綿毛をひろげる。

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17
タイアザミ(トネアザミ) (キク科)
花期 9-10月
寺家には、ノアザミやノハラアザミと共にこれも多い。背丈が高く。小さい花を横向きに多数つける。

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ヒヨドリジョウゴ (ナス科)
花期 8-9月
全体に軟毛が密生し、他にからみつく。葉はアサガオのように深く切りこむ。白色の花が集まって多数つき球形の赤い実になると美しい。ヤマホロシの花は淡紫色。

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19
ノササゲ (マメ科)
花期 8-9月
別名キツネササゲ。林の縁に生え黄色の花を総状につける。豆果は熟すと色が淡くなり2裂して種子を出す。

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20
ヤブツルアズキ (マメ科)
花期 8-10月
里山の藪の中、他にからまって花を開く。虫葉形の花だが花弁がねじれて奇妙。アズキ(小豆)はこれを改良したもの。古代から栽培されたという。

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21
トキリマメ (マメ科)
花期 7-9月
別名オオバタンキリマメ。葉が大きい。赤く熟すと中から黒い種子を出す。これを食べると痰をとめるという俗説がある。

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22
イイギリ (イイギリ科)
花期 4-5月
10m~15mの落葉高木。葉が桐に似る。雌雄別株。秋、樹下に果実の房が落ちることもあるが、多くは翌年まで残り、冬、野鳥たちの貴重な餌になる。

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23
マユミ (ニシキギ科)
花期 5-6月
葉のつけ根の下に緑白色の小さな花が多数集まってつく。秋、淡紅色の果実になり熟すと4裂し橙赤色の種子が顔を出す。その姿は見事。これで弓を作ったらしい。今もこけしの材に。

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24
ヤブムラサキ (クマツヅラ科)
花期 6-7月
里山の林辺に。ムラサキシキブの仲間だが葉の巾が広く表に微毛、裏に軟毛が多く生えビロードのような感触。果実が紫色に熟し、黄葉する頃になってその感触を失わない。


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